手紙写真と年賀状でつながる

私は文章を書くのが好きなので、今まで手紙や年賀状をたくさん書いては贈りました。そして貰うことも多々ありました。
そんなたくさんの年賀状の中に忘れられない1通があります。

私が高校を卒業した直後、といったら随分前の話になるんですが、クラスメイトだった男子生徒から1通の手紙が自宅に届きました。

しかし、ラブレターではないことを初めに言っておきます。

卒業式の日に撮った写真に私が写っていたので、焼き増ししたものに手紙を添えて送ってくれたのでした。

そのクラスメイトは無口な方で、私から話しかけることはあっても話しかけられることはほとんどありませんでした。

だから、手紙を書いて、封筒に写真と手紙を入れて、封をして…という作業をしている姿を想像すると、

とても意外でとても不思議で、くすくすと笑ってしまったのを覚えています。

そして、写真と一緒に入っていた手紙の一文が、今でも私の心に残っています。

 

「無口な自分にたくさん話しかけてくれたことが嬉しかった。」そんな文面でした。

短い手紙でしたが、その一文が私を幸せな気持ちにさせてくれました。

ラブレターを貰うこととは比べものにならないぐらい嬉しかったです。

いつもなら誰かにこの気持ちをとめどなく話しただろうに、その時は大事に大事に胸にしまいました。

 

自分の行動や発言は、ちょっとしたものだとしても、少なからず誰かに影響を与えているんだとその時知りました。

この手紙のことを思い出すと、背筋が伸びます。

あのクラスメイトにがっかりされない自分でいられているのだろうか、と考えます。

それから、年賀状のやりとりが今も続いており、自分にとっても大切な存在となっています。
写真1枚から始まった私の人生を応援してくれるような、叱咤してくれるような、大事な年賀状の関係です。

なにげない1枚の手紙、1枚の年賀状からつながりが広がることがありますね。

たった62円の安いハガキ1枚でも、相手を想って贈ると、そこから繋がりが広がるものです・・・